こんにちは。当院ブログをご覧いただきありがとうございます。今日は「認知症外来の流れ」についてご紹介いたします。近年、物忘れが気になって受診される方が増えており、**MCI(軽度認知障害)**の段階で早めにご相談いただくことがとても大切です。当院の認知症外来では、専門的な検査と治療に加え、患者さんとご家族を支える取り組みを行っています。
初めての受診(問診)
認知症外来では、まず問診から始まります。ご本人だけでなく、ご家族からの情報も重要です。
- 最近の物忘れの様子(同じ話を繰り返す、財布や鍵をよくなくす)
- 生活面の変化(料理や買い物、金銭管理ができなくなっていないか)
- 気分や行動の変化(不安、不眠、怒りっぽさ、幻覚の有無)
当院では、問診時にできるだけご家族にも同席いただき、普段の生活の様子をお聞きしています。MCIの段階か、認知症が始まっているかを見極める大切なステップです。
認知機能検査
次に、認知機能を調べる簡単なテストを行います。
- MMSE(Mini-Mental State Examination)
結果はその場でご説明し、加齢による物忘れなのか、認知症外来で治療が必要なのかを一緒に考えます。
画像検査
必要に応じてMRIやCTで脳の状態を調べます。
- MRI:海馬の萎縮を確認(アルツハイマー型認知症の特徴)
当院では地域の基幹病院と連携し、迅速に画像検査をご案内できる体制を整えています。
採血検査
意外に思われるかもしれませんが、ビタミン不足や甲状腺機能低下が原因で物忘れが出ることもあります。当院では、甲状腺ホルモン、ビタミンB12、葉酸などを含めた採血を行い、治療可能な原因を見逃さないようにしています。
治療法のご提案
診断の結果をふまえて、治療方針をご相談します。
- MCIの場合:生活習慣の改善(運動・睡眠・食事)を中心にご指導します。
- 認知症と診断された場合:必要に応じて治療薬を開始します。
治療薬について
現在、日本で使える認知症治療薬は主に以下の4種類です。
- ドネペジル(アリセプト):アルツハイマー型に幅広く使用
- ガランタミン(レミニール):注意力改善に有効
- リバスチグミン(リバスタッチパッチ):貼る薬、嚥下困難な方に適応
- メマンチン(メマリー):中等度~重度で使用、興奮症状を和らげる
当院では副作用のチェックを丁寧に行い、患者さんに合った薬を少量から調整しています。
生活指導
薬だけでなく、生活習慣の工夫も認知症予防・進行抑制に大切です。
- 有酸素運動(ウォーキングなど)
- 地中海食やバランスの良い食事
- 趣味活動や地域参加による脳の活性化
- 睡眠リズムの安定化
当院では、管理栄養士による食事指導や、運動療法を取り入れたリハビリをご案内しています。
介護保険取得のサポート
認知症外来で診断を受けた方は、介護保険の利用が可能になります。
- 市区町村に申請
- 要介護認定調査
- 主治医意見書の提出
- 要介護度の判定
- ケアマネジャーによるケアプラン作成
当院では介護保険の申請手続きについて、医療ソーシャルワーカーがサポートします。ご家族の負担を少しでも軽くできるよう努めています。
当院の取り組み
当院の認知症外来では、以下のような取り組みを行っています。
- MCIの段階からの早期介入
- 家族支援:介護方法や接し方のアドバイスを行う。
- 地域との連携:基幹病院、介護施設、地域包括支援センターと密に協力。
「物忘れが気になるけれど受診すべきか迷っている」という方も、MCIの段階で早めにご相談いただくことが、将来の生活の質を守ることにつながります。
まとめ
認知症外来は、問診、検査、画像、採血、治療、生活指導、介護保険サポートといった流れで診療が進みます。当院では、薬の治療だけでなく、生活習慣改善やご家族の支援にも力を入れています。
「最近、物忘れが増えた」「MCIではないか心配」という方は、ぜひお気軽に東大阪みき脳神経外科クリニック認知症外来へご相談ください。
