MRIを受けるべき頭痛とは?受診のタイミングと費用感

「いつもの頭痛と何か違う…」
「頭痛が続いて心配だけど、MRIは必要なの?」

このような不安を感じたことはありませんか?
頭痛の約9割は一次性(命に関わらない)とされますが、残りの1割には脳腫瘍・くも膜下出血・脳梗塞など、重大な疾患が潜んでいることがあります。

この記事では、MRIを受けるべき頭痛の特徴や受診の目安、費用感や検査の流れについて、医師の視点でわかりやすく解説します。


✅ MRIとは?CTとの違いを簡単に

MRI(磁気共鳴画像法)は、磁場と電波を使って脳の断面を高精細に映し出す検査です。X線を使わないため、放射線被ばくの心配がありません。

項目MRICT
放射線使用しない(安全)X線を使用(被ばくあり)
特徴軟部組織に強く、脳に適している出血・骨折に優れている
時間約15〜30分数分
大きな検査音あり静かめ

🧠 MRIが必要な頭痛とは?【受診の目安チェック】

以下のような症状がある場合は、脳の病気が隠れている可能性があるためMRI検査が推奨されます

🔻 警戒すべき「危険な頭痛」チェックリスト

  • ✅ 突然「バットで殴られたような」激しい痛み(※くも膜下出血の可能性)

  • ✅ 50歳以上で初めての頭痛

  • ✅ 手足のしびれ、ろれつの回らなさ、視野の異常などを伴う

  • ✅ 頭痛が徐々に悪化している/頻度が増えている

  • ✅ 早朝や睡眠中に起きる頭痛(脳腫瘍によくみられる)

  • ✅ 発熱・けいれん・嘔吐など全身症状を伴う

  • ✅ 頭痛とともに意識がぼんやりする・会話が困難

  • ✅ 抗頭痛薬が効かない、または乱用している

これらに1つでも当てはまる方は早めの受診を推奨します。


🏥 MRI検査はどこで受けられる?

主な検査実施場所

  • 脳神経外科クリニック

  • 神経内科・内科クリニック

  • 総合病院の放射線科

  • 画像検査専門クリニック(自由診療中心)

病院によっては、当日検査ができないこともあるため、事前に予約や紹介状が必要な場合もあります。


💰 MRI検査の費用はどれくらい?保険適用は?

MRI検査は、医師が必要と判断すれば健康保険が適用されます

保険診療の場合(3割負担)

検査内容自己負担額の目安
頭部MRI・MRA+診察約5,000〜7,000円
頭部MRI・MRA+頸部エコー+診察約7,000〜10,000円

※初診料やその他の検査が追加される場合あり
※高額になる場合は限度額認定証の活用を推奨

自由診療の場合

  • 相場:15,000〜30,000円前後

  • メリット:紹介状・保険証が不要/即日予約が可能


🔍 MRIでわかる主な疾患とは?

MRIでは以下のような脳の異常を詳細に評価できます。

疾患名MRIでの診断意義
脳腫瘍腫瘍の位置・大きさ・周囲への影響確認
くも膜下出血脳動脈瘤や出血の範囲の評価(CTより感度高)
脳梗塞(初期)特に発症数時間以内の小さな梗塞も捉えやすい
慢性硬膜下血腫頭部外傷から数週間後に起こる高齢者に多い疾患
脳動静脈奇形異常血管や脳出血リスクの評価に有用

⏱ 検査の流れと所要時間は?

  1. 問診・診察(症状や発症時期の確認)

  2. MRI室へ移動し検査(約15〜30分)

  3. 結果説明(当日または後日)

※検査中は大きな音がするため耳栓あり/閉所が苦手な方は事前に相談


🙋‍♀️ よくある質問(FAQ)

Q1. 頭痛が月に1〜2回でもMRIは必要?

→ **「いつもと違う痛み」「市販薬が効かない」**などがある場合は検査対象です。頻度よりも質が重要。

Q2. 健康診断でのMRIと病院でのMRIの違いは?

→ 健康診断はあくまでスクリーニング用。症状がある場合は医療機関での診断目的のMRIが正確です。

Q3. 妊娠中でもMRIは受けられる?

→ 放射線は使わないため、妊娠中でも原則的に安全とされています。ただし妊娠初期は医師と要相談。


📌 まとめ|「念のため」でも検査は安心材料になる

  • 「いつもの頭痛」と違うと感じたら、MRI検査で安心を得ることができます。

  • 保険適用なら数千円で実施可能。無症状でも早期発見につながることも。

  • 脳神経外科・内科での相談から検査までがスムーズ