1. はじめに

頸部エコー(頸動脈エコー)検査は、脳梗塞や動脈硬化の早期発見にとても重要な検査です。
痛みもなく、短時間で受けられ、体への負担が少ないため、生活習慣病がある方や健康チェックを希望される方に広く推奨されています。

本記事では、頸部エコー検査の内容や対象となる方、検査の流れ、気をつけるポイントなどをわかりやすく解説します。


2. 頸部エコー(頸動脈エコー)検査とは?

頸部エコー検査は、首にある頸動脈の血管の状態をリアルタイムで観察できる超音波検査です。
超音波(エコー)を用いて、

  • 血管の壁の厚さ

  • 動脈硬化の進行度

  • 血流の速さや方向

  • プラーク(血管内のこぶ)

などを詳しく調べることができます。

放射線を使わないため安全性が高く、定期チェックに適した検査です。


3. 頸部エコーでわかること

頸部エコーでは主に以下のポイントが評価できます。

● 内中膜複合体厚(IMT)

血管の厚みを測定し、動脈硬化の進行を評価します。

● プラーク(血管のこぶ)

コレステロールなどが溜まってできる突出物で、脳梗塞のリスクになります。

● 血流速度

血流の速さ(PSV・EDV)を確認し、血管が狭い部分の有無を調べます。

● 血管の左右差

左右の頸動脈を比較し、局所的な狭窄や閉塞を見つけます。


4. 頸部エコー検査が必要な方

以下の方は、頸部エコー検査を定期的に受けることで、脳梗塞の予防につながります。

  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病がある

  • 喫煙習慣がある

  • 動脈硬化・心臓病の家族歴がある

  • 健診でコレステロールが高いと言われた

  • めまい・ふらつき・手足のしびれを感じることがある

  • 頭部MRIで血流低下を指摘された

「血管の老化」は自覚症状がないまま進むため、早期発見が重要です。


5. 検査の流れ

頸部エコー検査の一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 仰向けに寝て、首元を露出していただきます

  2. ゼリーを塗り、超音波プローブを当てて観察

  3. 約10〜15分で終了

  4. 医師が画像を確認し、当日中に結果説明

痛みもなく、食事制限も不要で、気軽に受けられる検査です。


6. 検査結果をどう活かす?

検査で異常がある場合は、以下の対策が重要になります。

  • 血圧・血糖・脂質のコントロール

  • 禁煙

  • 運動習慣をつける

  • 食事改善(塩分・脂質を控える)

  • 必要に応じて内服治療

  • 定期的な再検査

動脈硬化を早期に見つけて治療することで、将来の脳梗塞を防ぐことができます。


7. 頸部エコー検査の費用

  • 保険適用の場合:1,000〜1,500円前後(3割負担)

検査の必要性は医師が判断しますので、お気軽にご相談ください。


8. よくある質問(FAQ)

Q. 痛みはありますか?
A.
ありません。ゼリーを塗って超音波をあてるだけで安全な検査です。

Q. 結果はすぐにわかりますか?
A.
その場で画像を確認し、当日中に医師が説明します。

Q. どれくらいの頻度で受ければいい?
A.
動脈硬化リスクの高い方は、年1回の検査がおすすめです。


9. まとめ

頸部エコー(頸動脈エコー)は、脳梗塞のリスクを可視化できる非常に重要な検査です。
生活習慣病のある方や、健康診断で異常を指摘された方は、一度検査を受けてみてください。

脳梗塞は早期発見・予防が可能な時代です。
気になる症状がある方は、ぜひ医療機関にご相談ください。