認知症 予防・検査・診断 方法まとめ|MRIや認知機能テストとは

高齢化が進む日本では、「認知症を予防したい」「物忘れが気になる」「早めに検査しておきたい」といった声が年々増加しています。この記事では、認知症の予防方法、検査手段、診断の流れについてわかりやすくまとめました。MRI検査や認知機能テストの役割も詳しく解説しています。


🧠 認知症とは?まず知っておきたい基本知識

認知症とは、記憶・思考・言語・判断力などの「認知機能」が低下し、日常生活に支障が出る状態のことです。代表的な認知症には以下のタイプがあります:

  • アルツハイマー型認知症:最も多いタイプ。記憶障害から始まることが多い

  • レビー小体型認知症:幻視・意識の変動が特徴

  • 脳血管性認知症:脳梗塞などの影響で発症

  • 前頭側頭型認知症:人格変化や行動異常から始まることがある

これらの病気は原因も経過も異なるため、正確な診断と早期対応が非常に重要です。


✅ 認知症の予防方法|今日からできる5つの習慣

完全に防ぐことは難しくても、発症リスクを下げることは可能です。

1. バランスのよい食事(地中海型食事など)

  • 抗酸化作用のある野菜・魚・ナッツ類を中心に

  • ビタミンB群、ビタミンD、オメガ3脂肪酸が脳に有益

2. 適度な運動

  • 週3回以上の有酸素運動(ウォーキング、体操)が脳機能を刺激

  • 転倒予防にも有効

3. 社会交流・会話・趣味活動

  • 孤立を防ぐことは認知機能の維持に直結

  • カラオケ・囲碁・読書・料理など頭を使う趣味も効果的

4. 良質な睡眠とストレス管理

  • 睡眠中に脳の老廃物が除去される(アミロイドβの排出)

  • ストレスは慢性炎症を招き、脳に悪影響

5. 生活習慣病の管理

  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満は認知症のリスク要因

  • 早期治療と定期的な健診が重要


🩺 認知症の検査方法|何を調べる?どこで受けられる?

「認知症かも?」と感じたときは、脳神経外科、神経内科、認知症専門外来などで検査を受けることができます。以下は代表的な検査項目です。

🔹 1. 認知機能テスト(MMSE、長谷川式など)

  • 質問形式で記憶・計算・言語・判断力などを評価

  • 点数化されるため、経過観察にも有効

  • 例:「今日は何年何月何日ですか?」「りんご・バス・鍵を覚えてください」

🔹 2. MRI検査(脳画像)

  • 脳の萎縮や脳血管障害の有無を確認

  • アルツハイマーでは海馬の萎縮、脳血管性では梗塞の跡が見られる

  • 被ばくがなく、安全性が高い

🔹 3. SPECT(脳血流シンチグラフィ)

  • 脳内の血流の偏りを画像化する検査

  • レビー小体型認知症やアルツハイマー型の鑑別に役立つ

🔹 4. 血液検査

  • 甲状腺機能、ビタミンB12欠乏、梅毒など認知症に似た症状を起こす疾患を除外


🧪 レカネマブなどの新薬の使用には「診断の正確性」が必須

2023年から日本でも保険適用となった**アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」は、「アミロイドβ蓄積が確認された軽度認知症またはMCI」**の方が対象です。

そのため、単なる問診ではなく、画像検査・バイオマーカーなどを用いた厳密な診断が重要となっています。


💬 認知症の診断の流れ|病院でどう進む?

  1. 問診・家族からの情報聴取(生活の変化、物忘れの具体例など)

  2. 認知機能検査(MMSEなど)

  3. MRIや血液検査による鑑別

  4. 必要に応じてSPECTや脳波検査

  5. 総合的な判断による診断

  6. 病型に合わせた治療・介護計画の立案


🧾 早期受診の目安とは?

以下のような変化があれば、年齢に関係なく医師への相談をおすすめします。

  • 同じ話を繰り返すようになった

  • 曜日や時間がわからなくなる

  • 急に怒りっぽくなった、性格が変わった

  • 財布や物をしょっちゅう探す

  • 人の顔や名前を覚えられない

  • 幻視(見えないものが見える)や夜間の異常行動


📌 まとめ

  • 認知症は予防可能な側面もあり、生活習慣の改善が重要です

  • MRIや認知機能検査で、早期に状態を把握できます

  • 正確な診断によって、進行を遅らせる薬や介護支援の導入が可能に


🔎 よくある質問(FAQ)

Q. 検査はどこで受けられますか?
→ 脳神経外科、神経内科、認知症外来のある病院・クリニックで受診可能です。

Q. 保険は適用されますか?
→ 基本的な検査(MRI・血液・認知機能テスト)は健康保険が適用されます(3割負担など)。