ピルと頭痛と静脈血栓症の関係とは?片頭痛持ちが知っておきたいリスクと対策
「ピルを使っているけど、最近頭痛が多くなった…」
「片頭痛があるけど、ピルは使って大丈夫?」
「ピルと血栓症の関係が不安…」
月経痛やPMSの改善、避妊などに広く使われている低用量ピルですが、服用中に頭痛が出る人や、まれに静脈血栓症を発症するリスクがあることが知られています。
特に、片頭痛を持つ人は血栓リスクが高まる可能性があり、注意が必要です。
この記事では、ピルと頭痛の関係、静脈血栓症のリスク、片頭痛との相互作用、受診の目安や対策方法について詳しく解説します。
✅ ピルとは?|ホルモンに働きかける薬
低用量ピルは、女性ホルモン(エストロゲン+プロゲスチン)を含む薬で、主に以下の目的で使われます:
避妊(排卵を止める)
月経困難症、生理不順の改善
PMS(月経前症候群)の軽減
ニキビや子宮内膜症の治療
ピルは高い効果を持ちますが、体内のホルモン環境を変化させるため、副作用にも注意が必要です。
🤕 ピルで起こる頭痛の原因
ピルの服用により、エストロゲンの変動が脳の血管に影響を与えることがあります。これが頭痛、特に片頭痛を引き起こす原因になることも。
よくある頭痛のパターン:
タイミング | 症状の特徴 |
---|---|
ピル開始直後 | 軽度の頭痛や違和感。体が慣れてくると軽快することも。 |
偽薬(休薬)期間中 | ホルモンが急減し、片頭痛の誘因になることがある。 |
片頭痛持ちの方 | ホルモンの影響で症状が強まる場合がある。特に「オーラあり」は注意。 |
⚠ 静脈血栓症とは?ピルとの関連性
**静脈血栓症(DVT)**とは、血液が固まりやすくなり、血管内に血栓(血のかたまり)ができる病気です。
血栓が肺に流れ込むと、肺塞栓症という命にかかわる状態を引き起こすことがあります。
🔹 ピルが血栓を作りやすくする理由:
エストロゲンが血液を凝固しやすくする作用を持つ
静脈の血流が遅くなる → 血栓ができやすくなる
特に注意すべき人:
35歳以上で喫煙習慣がある人
BMI(肥満度)が高い人
家族に血栓症の既往がある人
片頭痛(特にオーラあり)を持っている人
🔍 片頭痛×ピル=血栓リスクが高まる?
特に「オーラあり片頭痛(前兆がある片頭痛)」を持つ女性では、ピルによって脳梗塞などの血管イベントのリスクが上がるとされています。
片頭痛タイプ | ピル使用の可否 | 理由 |
---|---|---|
オーラなし片頭痛 | 慎重に使用可能 | 血栓リスクは上昇するが医師判断で処方可能 |
オーラあり片頭痛 | 原則禁忌 | 脳梗塞・心筋梗塞のリスクが高まるため |
🩺 静脈血栓症の初期症状|早期発見のサイン
ピルを服用中で、以下のような症状が現れた場合はすぐに受診が必要です:
ふくらはぎの痛み・腫れ・赤み
急な呼吸困難・胸の痛み・息切れ
視覚異常や片側の手足のしびれ
話しづらさ・麻痺などの脳梗塞に似た症状
強い頭痛+吐き気、視覚異常
これらは血栓症や脳の障害を示唆するサインの可能性があり、命に関わる可能性もあるため早急な対応が必要です。
💊 安全にピルを使用するための対策
① 医師の問診とリスク評価を必ず受ける
頭痛歴、血栓症の家族歴、既往症、喫煙歴などを申告
必要に応じて血液検査や血栓リスクの確認も行う
② オーラあり片頭痛がある方は他の選択肢を検討
**ミニピル(プロゲスチン単剤)**などエストロゲンを含まない選択肢
子宮内避妊器具(IUS)や避妊リングなどのホルモンフリーメソッド
③ 頭痛が悪化したらすぐに相談
**頭痛の記録(頭痛日記)**をつけて相談しやすく
ピルの種類変更や休薬、連続服用などで調整可能
👩⚕️ まとめ|ピル・頭痛・血栓症の関係を正しく理解しよう
ピルは便利で効果的な治療薬ですが、頭痛や静脈血栓症など副作用への理解が重要です
特に「オーラあり片頭痛」のある方は、ピルが命に関わるリスクにつながることも
不安な症状があれば、我慢せず医師に相談を
💬 自分の体に合った方法を、婦人科や頭痛外来で一緒に見つけましょう。