頭を打った後から頭痛が続く原因とは?
「転んで頭を打ってから、ずっと頭が痛い…」
「子どもが頭をぶつけて、数日たっても頭痛がある…」
頭を打った後の頭痛は、単なる打撲によるものから、脳出血や慢性硬膜下血腫など命に関わる病気まで、さまざまな原因が考えられます。
特に高齢者や血液をサラサラにする薬を内服中の方は要注意です。
この記事では、頭部打撲後に続く頭痛の原因、受診の目安、検査・治療方法について解説します。
✅ 頭を打った後に頭痛が続く原因
1. 打撲による一時的な痛み
頭皮や筋肉の損傷による痛み
数日〜1週間で軽快することが多い
2. 脳震盪(のうしんとう)
軽い意識消失や吐き気を伴うことがある
数日で改善するが、繰り返すと「外傷後頭痛」が長引くことも
3. 急性硬膜下血腫・硬膜外血腫
頭を強く打った直後から頭痛・吐き気・意識障害
進行が早く、緊急手術が必要になる場合も
4. 慢性硬膜下血腫
高齢者に多い
転倒から数週間後に徐々に頭痛・歩行障害・認知症様症状が出現
血液をさらさらにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる人はリスクが高い
5. 脳出血・脳梗塞
打撲をきっかけに発症が顕在化することも
ろれつ障害・手足のしびれや麻痺を伴う場合は要注意
🧠 危険な頭痛のサイン(受診が必要な症状)
頭を打った後、以下の症状がある場合はすぐに脳神経外科を受診してください。
強い頭痛が続く、または悪化する
吐き気・嘔吐を伴う
意識がぼんやりする、反応が鈍い
ろれつが回らない、手足のしびれ・麻痺がある
けいれん発作を起こした
打撲から数日〜数週間後に頭痛や歩行障害が出てきた
🩺 医療機関で行う検査
脳神経外科・救急外来では以下の検査が行われます:
CT検査:出血の有無を迅速に確認できる
MRI検査:慢性硬膜下血腫や微細な損傷を評価
神経学的診察:麻痺や言語障害の有無をチェック
💊 治療方法
軽度の打撲・脳震盪:安静・鎮痛薬で経過観察
急性硬膜下血腫・硬膜外血腫:緊急手術(血腫除去)
慢性硬膜下血腫:局所麻酔で穿頭術を行い血液を排出
頭痛が長引く場合:鎮痛薬の調整や頭痛外来での専門治療
🛠 自宅でできるセルフケア(軽度の頭部打撲時)
頭を冷やして炎症を抑える
安静にして無理をしない
数日は強い運動や飲酒を控える
頭痛が長引く・悪化する場合はすぐ受診
💡 自己判断で放置せず、「大丈夫だろう」と思わずに医療機関で確認することが大切です。
📌 まとめ|頭を打った後の頭痛は必ずチェックを
頭を打った後の頭痛は、脳震盪・脳出血・慢性硬膜下血腫など重篤な病気のサインである可能性も
特に高齢者や抗血栓薬内服中の方はリスクが高い
「強い頭痛」「吐き気」「しびれ」「数週間後に症状が出る」などは危険サイン
早めの脳神経外科受診・CT/MRI検査が命を守ります