認知症と生活習慣

 

「最近物忘れが増えた」
「認知症にならないために何をすればいい?」
「MCI(軽度認知障害)と言われたけど進行を防げる?」

このようなお悩みで、大阪市・東大阪市・八尾市の認知症外来を受診される患者さんが増えています。

近年では、認知症になる前段階であるMCI(軽度認知障害)の段階で発見し、認知症外来で早期介入することが非常に重要と考えられています。

認知症外来では、

  • MRI検査
  • 認知機能検査
  • 血液検査
  • 生活習慣評価

などを行い、認知症やMCIを総合的に評価します。

今回は、認知症を遠ざける生活習慣とMCIについてわかりやすく解説します。

 

日本では認知症・MCIが急増しています

厚生労働省研究班の報告では、

  • 認知症患者:約443万人
  • MCI(軽度認知障害)患者:約559万人

と推計されており、65歳以上の約3.6人に1人が認知症またはMCIとされています。 (経済産業省⁠)

さらに2040年には、

  • 認知症:約584万人
  • MCI:約613万人

まで増加すると予測されています。 (経済産業省⁠)

大阪市・東大阪市・八尾市の認知症外来でも、

  • 「家族に物忘れを指摘された」
  • 「認知症が心配」
  • 「MCIかもしれない」

という相談は年々増えています。

認知症外来では、MCI段階で発見し早期介入することが重要です。

 

MCI(軽度認知障害)とは?

MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)は、正常加齢と認知症の中間段階です。

  • 物忘れが増えた
  • 同じ話を繰り返す
  • 名前が出にくい
  • 段取りが悪くなった

などの症状がみられます。

ただし、日常生活は比較的保たれている状態です。

認知症外来では、MCIを早期に発見することで認知症進行予防を目指します。

MCIから認知症へ進行するリスク

海外報告では、

MCI患者さんの年間約10〜15%が認知症へ進行するとされています。

一方で、

  • 運動習慣
  • 高血圧管理
  • 睡眠改善
  • 社会交流

などによって改善するケースもあります。

そのため認知症外来では、MCI段階での介入が非常に重要です。

 

認知症を遠ざける生活習慣

① 運動習慣

認知症外来では運動習慣を非常に重視しています。

Lancet Commissionでも、運動不足は認知症リスク因子の一つとされています。 (日本医事新報社⁠)

特に、

  • ウォーキング
  • 有酸素運動
  • 軽い筋力トレーニング

などがおすすめです。

認知症外来では週150分程度の中等度運動が推奨されることがあります。

② 高血圧・糖尿病管理

高血圧や糖尿病は、

  • 脳梗塞
  • 血管性認知症
  • MCI

のリスクを高めます。

認知症外来では、

  • 血圧管理
  • 血糖管理
  • コレステロール管理

も重要な治療です。

③ 睡眠をしっかりとる

睡眠不足は、

  • MCI
  • 認知機能低下
  • 認知症

との関連が報告されています。

認知症外来でも睡眠評価を重視しています。

④ 人との交流を保つ

社会的孤立は認知症リスク因子とされています。

認知症外来では、

  • 家族との会話
  • 趣味活動
  • 地域交流

などをおすすめしています。

⑤ 食生活改善

認知症外来では食生活改善も重要視しています。

特に、

  • 野菜
  • オリーブオイル
  • ナッツ

などを中心とした地中海食は認知症予防効果が期待されています。

⑥ 禁煙・節酒

喫煙は脳血管障害や認知症リスクを高めます。

認知症外来では生活習慣全体を確認します。

認知症外来でMRI検査が重要な理由

認知症外来ではMRI検査を行い、

  • 脳萎縮
  • 隠れ脳梗塞
  • 正常圧水頭症
  • 慢性硬膜下血腫

などを確認します。

実際に、

「認知症だと思っていたら治療可能な病気だった」

というケースもあります。

認知症外来ではMCI段階からMRI検査を行うことが重要です。

 

認知症外来・MCI Q&A

Q1. MCIは認知症ですか?

MCIは認知症の前段階ですが、日常生活は比較的保たれています。

認知症外来での早期評価が重要です。

Q2. MCIは改善しますか?

改善する方もいます。

認知症外来では生活習慣改善や早期介入を行います。

Q3. 認知症外来ではMRI検査を行いますか?

はい。

認知症外来ではMRI検査を行い、脳萎縮や脳梗塞などを確認します。

Q4. 認知症予防に最も重要なことは何ですか?

運動習慣・高血圧管理・睡眠・社会交流が重要とされています。

Q5. 家族の物忘れが気になる場合は受診したほうがよいですか?

早期受診をおすすめします。

認知症外来ではMCI段階での評価が非常に重要です。

 

参考データ認知症患者:約443万人 (経済産業省⁠)

参考文献(国内)

  1. 日本認知症学会・日本神経学会 監修
    「認知症疾患診療ガイドライン2017」
    医学書院
    (日本神経学会⁠)
  2. 国立長寿医療研究センター
    「あたまとからだを元気にする MCIハンドブック」
    MCI(軽度認知障害)の定義や予防、運動・生活習慣改善について解説。
    (ncgg.go.jp⁠)
  3. 国立長寿医療研究センター
    「MCIについて」
    MCIの概要や認知症との違いについて解説。
    (ncgg.go.jp⁠)
  4. 日本認知症学会
    「認知症関連ガイドライン」
    アミロイドPETやMCI診療を含む最新認知症診療の指針。
    (日本認知症学会⁠)
  5. 日本神経治療学会
    「認知症関連ガイドライン改訂版(令和6年度厚労科研事業)」
    (日本神経治療学会⁠)

参考文献(海外)

  1. Livingston G, Huntley J, Sommerlad A, et al.
    “Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission.”
    Lancet. 2020;396(10248):413-446.
  2. Petersen RC.
    “Mild Cognitive Impairment.”
    New England Journal of Medicine. 2011;364:2227-2234.
  3. World Health Organization (WHO).
    “Risk Reduction of Cognitive Decline and Dementia: WHO Guidelines.”
  4. 4.
  5. Alzheimer’s Association.
    “2024 Alzheimer’s Disease Facts and Figures.”
    Alzheimer’s & Dementia. 2024.
  6. National Institute on Aging (NIA).
    “Cognitive Health and Older Adults.”

 

執筆 三木 貴徳(みき たかのり)

東大阪みき脳神経外科クリニック 院長

脳神経外科専門医として、認知症外来・MCI診療・MRI検査に力を入れています。
大阪市・東大阪市・八尾市を中心に、認知症外来・脳ドック・脳卒中予防に取り組んでいます。

資格

  • 日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
  • 日本脳卒中学会 脳卒中専門医
  • 日本脳神経血管内治療学会 神経血管内治療専門医

所属学会

  • 日本頭痛学会
  • 日本認知症学会

東大阪みき脳神経外科クリニック