アルツハイマー型認知症は
進行性の神経変性疾患です
アルツハイマー型認知症は、進行性の神経変性疾患で、高齢者によく見られる最も一般的な認知症の形態のひとつです。
脳内で異常なたんぱく質の蓄積と神経細胞の変性により、認知機能の喪失が進行します。
日本国内で認知症を発症する方の中での割合は過半数を占めます。
抜本的な治療方法は無く、薬などで進行を遅らせることが現在の最善の治療です。
アルツハイマー型認知症の主な症状
記憶力、判断力、計画能力、言語理解などの認知機能の低下
語彙の減少や言葉の選択が不自由になるなどの言語障害
不安、興奮、抑うつなどの行動の変化
道に迷う、物事の位置を把握できないなどの空間認識の障害
アルツハイマー型認知症の主な原因
アルツハイマー型認知症の主な原因は完全に解明されていません。
複数の要因が組み合わせられ、発症する可能性があると考えられています。
以下は関連する要因の幾つかです。
アミロイドベータプラークの蓄積
脳内にアミロイドベータプラークと呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞間に異常な結びつきが引き起こされることが一因と言われています。
神経変性
神経細胞の変性が進行し、脳の一部の領域が萎縮することが認知機能の低下に関与します。
神経伝達物質の減少
神経伝達物質であるアセチルコリンなどが減少することが、アルツハイマー型認知症の症状に関与しています。これにより神経細胞間の通信が乱れ、認知機能が低下します。
遺伝的要因
特定の遺伝子の変異がアルツハイマー型認知症の発症に関与することがあります。
アルツハイマー型認知症の診断
アルツハイマー型認知症の診断は、症状の詳細な評価と様々な検査を組み合わせて行われます。
検査などを行い症状の進行や患者の状態に応じて定期的に再評価されることがあります。
臨床評価
患者様と面談を行い、症状や病歴を詳しくお聞きし、日常生活や行動の変化についても評価します。
身体検査
他の健康問題や特定の症状の原因を除外するため、一般的な身体検査を行います。
脳画像診断
脳の構造や変化を確認するために、MRIなどの画像診断が行われることがあります。これにより、脳の萎縮や異常な蓄積物の有無が確認されます。
アルツハイマー型認知症の治療
2023年12月に脳に蓄積する『アミロイドβ』という異常なたんぱく質を取り除くことができ、症状の進行を抑えることができる薬(アルツハイマー型認知症の新規治療薬『レカネマブ(一般名:レケンビ)』)が新たに日本国内で発売されましたが、現時点でアルツハイマー型認知症を完全に治癒する治療法は存在していません。
主に症状の緩和や患者様の生活の質を向上させることに焦点が当てられています。
薬物療法
コリンエステラーゼ阻害薬や、NMDA受容体拮抗薬など、アルツハイマー型認知症の進行を抑える薬を服用します。
2023年12月に発売されたアルツハイマー型認知症の新規治療薬『レカネマブ(一般名:レケンビ)』につきましては下記からご覧ください。
アルツハイマー型認知症の新規治療薬『レカネマブ(一般名:レケンビ)』行動療法
患者様とその家族に対する行動療法やカウンセリングが行われ、コミュニケーションの向上や日常生活の管理に役立つサポートが提供されます。
脳トレーニング
認知リハビリテーションや脳トレーニングプログラムが利用され、残存能力の最大限の維持や向上を図ります。
身体活動と栄養
適度な身体活動やバランスのとれた栄養は、認知症患者の健康を促進し、生活の質を向上させるのに役立ちます。
環境の調整
安全で快適な環境を整えることが重要です。照明や音量の調整、見やすいラベルの使用などが含まれます。