当院は頭痛外来を
行っています
頭痛はよくある症状で、ほとんどの人が自覚したことがあるのではないでしょうか。
日本人の3〜4人に1人は頭痛を感じていると言われています。
頭痛には様々な疾患が含まれており、くも膜下出血や脳腫瘍など命を脅かすものもあれば、片頭痛や緊張性頭痛のように命の危険はありませんが、痛みのために日常生活に支障をきたすものもあります。頭痛について説明したいと思います。
『東大阪みき脳神経外科』は、近鉄大阪線・近鉄奈良線『布施』駅から徒歩約3分で、駅が至近のためご来院いただきやすい環境です。
現在は、大阪市や東大阪市、八尾市、大東市、柏原市からも多くの患者様にご来院いただき、頭痛や認知症、物忘れなどの治療を行っております。
頭痛はまず
一次性頭痛と二次性頭痛に
分けられます。
一次性頭痛
一次性頭痛はMRI検査で異常を認めず、
代表的な一次性頭痛は次のものがあります。
片頭痛
片頭痛は、女性ホルモンと関連があるため20歳から40歳の女性に好発します。
中等度から重度の、脈打つような痛みやズキズキする痛みで、頭の片側または両側に生じます。しばしば身体活動、光、音、匂いなどによって悪化し、吐き気や嘔吐を伴ったり、音、光、匂いに過敏になったりします。片頭痛は、睡眠不足、天候の変化、感覚への過度の刺激、ストレス、その他の要因が引き金となって発生します。
片頭痛の治療は大きくわけて2種類あります。頭痛発作が起こった時になるべく早く頭痛を鎮めるための治療法を急性期治療といいます。もうひとつは頭痛がない日もあらかじめ毎日お薬を飲んで、頭痛発作を起こりにくくし、また、頭痛発作が起こっても軽くすむようにするための予防療法です。
最近エムガルティ、アジョビ、アイモビーグなどの新規の片頭痛予防薬が開発され、高い治療効果が得られております。当院ではいずれの薬剤も処方可能です。従来の片頭痛の治療薬を使用していても片頭痛が抑えられない方で、使用を考えてみたいという場合にはご相談ください。
緊張性頭痛
緊張型頭痛は頭痛の中で最も多く、一次性頭痛の50%を占めるといわれています。
両側で感じることが多く、圧迫感やしめつけ感が主体で数十分から数日間持続します。痛みの程度は、軽度から中等度で日常的な動作で頭痛が悪化することはないため、家事や仕事は何とかこなせます。このほか、頚部痛や肩こり、めまい感、浮遊感を伴ったり、光過敏や音過敏のいずれかを伴ったりすることがあります。片頭痛でみられるようなひどい嘔吐はありません。
原因は長時間にわたって首や肩に負担がかかる不自然な姿勢を続けることが誘因となることが多く、うつむきがちな姿勢となりやすい長時間のドライブやデスクワークなどのほか、高さの合わない枕の使用なども緊張型頭痛を引き起こすことがあります。
症状に応じて鎮痛薬や筋弛緩薬、漢方薬などを処方することが可能です。心理的な要因が頭痛の原因となっている場合は、抗うつ薬、抗不安薬などでの治療で頭痛が改善することもあります。また筋肉の緊張を引き起こすような姿勢やストレスの回避、日常的にストレッチングや筋力トレーニングをとりいれるなど生活習慣の改善が頭痛の改善、予防に効果的です。
群発頭痛
群発頭痛の有病率は1000人に1人程度であり片頭痛や緊張型頭痛に比べてまれな疾患であるといえます。片頭痛や緊張型頭痛が女性に多いのに対して、20歳から40歳の若い男性に好発します。痛みの程度は非常に強く、「自殺頭痛」の異名をとります。
1年に1回、特に季節の変わり目に、約1か月間毎日のように起こる(群発)する激しい頭痛が15分~3時間持続します。痛みは睡眠中、特に明け方に目の奥をえぐる様な激しい痛みで目が醒めることが多く、あまりの激しさに患者さんはじっとしていられず「落ち着きのない、興奮した」状態となります。痛みのある側の目が真っ赤に充血、涙がポロポロと出る、瞳孔が小さくなる、鼻水・鼻閉、顔面の発汗、眼瞼浮腫がでます。飲酒や喫煙により痛みが誘発されることがあります。
市販の鎮痛剤では効果はなく、イミグラン皮下注射が発作時の痛みの緩和に有効です。当院でも処方可能ですので、お気軽にご相談ください。
一次性咳嗽性頭痛
一次性咳嗽性頭痛は、咳やくしゃみ、排便といった動作の際に一過性に生じる頭痛で、比較的まれに見られる症状です。痛みは鋭く、持続時間も数秒から数分程度と短いのが特徴です。原因はまだ明確には解明されていませんが、主に中年以降の男性に多く発症します。
一方で、脳腫瘍や脳の血管・構造の異常などが背景にある「二次性咳嗽性頭痛」との鑑別は非常に重要です。二次性の場合は痛みが長引くことが多く、視覚や聴覚に障害を伴うケースもあります。診断にはMRIなどの画像検査が有用で、治療にはインドメタシンなどの消炎鎮痛薬が用いられるのが一般的です。
一次性運動時頭痛
一次性運動時頭痛は、運動や身体活動の最中に起こる頭痛の一種です。特に激しい運動や強い筋力を必要とする動作が引き金となり、突然発症します。多くの場合は運動後に痛みが出現し、数分から数時間持続するのが特徴です。
原因としては、脳血管の拡張や筋肉の緊張が関与すると考えられており、激しい運動や長時間の活動に加えて、気温や湿度の変化も影響を及ぼすとされています。一次性運動時頭痛は重大な疾患が背景にないことが多く、「良性運動時頭痛」とも呼ばれますが、再発が頻繁であったり、強い痛みや吐き気を伴う場合には注意が必要です。
診断には詳細な問診や必要に応じた画像検査が行われ、治療は休養や運動の調整が基本となります。症状の程度や再発状況に応じて、予防的な管理が検討されることもあります。
一次性穿刺様頭痛
一次性穿刺様頭痛(いちじせいせんしようずつう)は、突然鋭く刺すような痛みが頭部に走るのを特徴とする頭痛です。痛みは数秒から数分程度と短時間で消失しますが、その強さは非常に激しく、突発的に起こります。症状は頭部の片側に限局することが多く、特に目の周囲やこめかみ、後頭部に感じられるのが典型的です。この頭痛は運動や外部からの刺激によって誘発されることは少なく、多くの場合、安静時や休息中に突然発症します。
一般的に一次性穿刺様頭痛は深刻な病気に伴うものではなく、良性の頭痛に分類されますが、鋭い痛みが繰り返されるため、患者に強い不安を与えることがあります。原因としては、神経の過敏性や血管の収縮が関与すると考えられています。診断は症状の特徴をもとに行われ、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査で他の疾患を除外します。治療には鎮痛薬が用いられることが多く、再発を防ぐためには生活習慣の改善が推奨されます。
性行為に伴う一次性頭痛
性行為に関連して生じる一次性頭痛は、性交の最中や終了直後に突然現れる頭痛を指します。痛みは軽度から中等度であることが多く、頭全体や後頭部、首周囲に感じられるのが一般的です。特にオーガズムの前後に出現しやすく、筋肉の緊張や血圧の急激な上昇・変動が要因と考えられています。強い身体的あるいは精神的な興奮が引き金となり、血管の急な拡張や脳内の神経伝達物質の変化が関与しているとされています。
このタイプの頭痛は、数分から数十分程度で自然に治まることが多いですが、繰り返し起こる場合や強い痛みが続く場合には、背景に他の病気が隠れていないかを確認する必要があります。診断では問診や身体診察に加え、必要に応じて画像検査が行われます。治療は休養や鎮痛薬の使用が基本となり、症状に応じて予防的な対応や生活習慣の調整が有効な場合もあります。
片頭痛
片頭痛は、女性ホルモンと関連があるため20歳から40歳の女性に好発します。
中等度から重度の脈打つような痛みやズキズキする痛みで、頭の片側または両側に生じます。
片頭痛は、つらい頭痛の繰り返しで、身体活動、睡眠不足、天候の変化、感覚への過度の刺激、ストレス、光、音、匂いなどによって悪化し、光や音を不快に感じたり吐き気を伴ったりする神経疾患です。
国際頭痛学会の診断基準で「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」に分けられています。
『前兆のない片頭痛』
頭の片側がズキズキと脈打つような強い頭痛発作を繰り返す病気で、痛みは数時間から長い時には3日程度持続します。歩いたり階段の昇り降りなどの動作により頭痛がひどくなることが特徴で、頭痛と同時に気分が悪くなったり吐き気をもよおしたり、光や音に敏感になるといった症状を伴うこともあります。
『前兆のある片頭痛』
特徴的な前兆が頭痛の前に現れ、その後に『前兆のない片頭痛』と同様の頭痛が起こります。特徴的な前兆としてよく知られているものには、『閃輝暗点(せんきあんてん)』と呼ばれる、キラキラとした光が見えたり、視野の一部が見にくくなるといった視覚症状があります。その他には、感覚がにぶくなる感覚症状や言葉を発しにくくなる言語症状などがあります。前兆の持続時間は一般的に1時間以内です。
※『閃輝暗点(せんきあんてん)』:キラキラとした光が見えたり、視野の一部が見にくくなるといった視覚症状。


※画像出典元:片頭痛.info
片頭痛のメカニズム
脳の血管拡張作用 → 三叉神経 → 神経伝達物質(CGRPなど) → 炎症・血管拡張 → 痛み
という流れで説明されます。
片頭痛の治療は大きくわけて2種類あり、頭痛発作が起こった時になるべく早く頭痛を鎮めるための治療法を急性期治療といいます。もうひとつは頭痛がない日もあらかじめ毎日お薬を飲んで、頭痛発作を起こりにくくし、また、頭痛発作が起こっても軽くすむようにするための予防療法です。
急性期治療とはどんな治療?効果とメリット
急性期治療は、片頭痛発作が起こったときの痛みをすみやかにおさえ、仕事や生活にできるだけ早く戻れるようにするための治療で、薬物療法が中心になります。
片頭痛の急性期治療では、大きく痛み止めと片頭痛治療薬があり、効果の速さや安定性、副作用の有無、患者さんのライフスタイルに合わせて服薬しやすさなどを考慮して、医師が患者さんと相談しながらその人にあった薬剤を処方します。
急性期治療をしていても予防療法の対象となる可能性があります。
一般的な片頭痛急性期治療薬とは?
片頭痛急性期治療薬は軽度、中等度、重度で症状に応じて選択されます。悪心や嘔吐を伴う場合には制吐薬の併用が有用です。
どのお薬も3ヵ月を超えて頻繁に使用すると薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があるため注意が必要です。頭痛が起こったときには、静かな暗い場所で休んだり、痛む場所を冷やしたり、入浴を控えるなど、お薬の服用とともに自分にあった対策も行うことがすすめられます。
急性期治療薬に期待される作用(イメージ図)
薬をのんでも痛みがおさまらない場合は、片頭痛ではない可能性や薬があなたにあっていない可能性など、様々な原因が考えられます。
主治医に相談しましょう。
※画像出典元:片頭痛.info
急性期治療薬の種類とはたらき
※画像出典元:片頭痛.info
急性期治療はどんなときに必要になる?
急性期治療が望ましい状況として、急性期治療薬は、片頭痛発作が起きたときに使用します。片頭痛発作が起こりはじめたら、我慢しすぎないで早めに使用しましょう。
また、急性期治療薬の中でも、片頭痛治療薬は他の頭痛には効果がないので、片頭痛による頭痛が起こったときにのみ使用しましょう。
予防療法 ~片頭痛発作の発症を抑制する治療~
予防療法の治療方法と効果、メリットは、片頭痛発作の回数を少なくしたり、急性期治療薬の効き目を良くしたりするための治療です。片頭痛発作そのものや、発作が起こるのではという不安から生じる日常生活の支障を軽減することが期待されます。予防療法には、生活習慣改善などのセルフケアや、予防治療薬(発症抑制薬)を使用する薬物療法があります。
セルフケアによる予防
生活習慣改善などのセルフケアで、頭痛発作を起きにくくすることができます。食事の内容や睡眠のとり方、入浴の方法などを工夫してみましょう。
食事
朝食は忙しくてもとる方がよい。片頭痛を誘発する食品をなるべく避け、アルコール類の摂取は注意が必要です。
睡眠:良質な睡眠を心がけましょう。寝不足も、寝すぎも、片頭痛の原因になることが考えられます。
入浴
片頭痛の予兆があるときなどは、シャワーだけにしておくようにしましょう。
スケジュール管理:心身に余裕ができるようスケジュールを調整してみましょう。
お薬
薬の中には、片頭痛を誘発させるものもあります。片頭痛のお薬と併用する場合は、医師に相談しましょう。
外出
人混みや換気の悪い場所を避けましょう。サングラスを使って直射日光を遮ったり、空腹を避けるため飴などの糖分をとってから出かけるといいでしょう。
ストレス:生活の中で、できるだけストレスをため込まないようにしましょう。
運動
首から肩にかけてのストレッチは片頭痛の予防に効果的です。生活の中に、適度な運動を取り入れましょう。
薬物療法による予防
薬物療法では、片頭痛発作を抑制するために、予防治療薬(発症抑制薬)を片頭痛がない日にも定期的に使用します。現在さまざまな選択肢があり、頭痛の程度や頻度、患者さんの生活環境や希望などに応じて、医師により処方されます。
予防治療薬には抗てんかん薬や降圧薬、片頭痛治療薬などの種類があります。
片頭痛の回数が少なくなったり、痛みが軽減したり、急性期治療薬の反応が改善したりするなどの効果が期待できます。
飲み薬と注射薬があります。
発作が起きたときには急性期治療薬も使います。
予防治療薬『発症抑制薬』に期待される作用(イメージ図)
※画像出典元:片頭痛.info
予防治療薬『発症抑制薬』の種類とはたらき
※画像出典元:片頭痛.info
予防療法はどんな人に必要?
急性期治療薬を使用していても、下記のいずれかに当てはまる患者さんは予防治療薬(発症抑制薬)を定期的に使用することがすすめられます。
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①急性期治療のみでは、日常生活に支障がある方
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②片頭痛発作が月2回以上あるいは生活に支障をきたす頭痛が月3日以上ある方
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③急性期治療薬の使用が多いために、頭痛を引き起こしている可能性のある方
※急性期治療薬を使用しすぎると、かえって頭痛が起きやすくなることがあります。
治療について医師へ相談したいときは、痛みを伝えるだけでなく、日常生活の支障や予定を話してみましょう。自分に合った治療法が見つかり、これまでの日常が変わるかもしれません。
最近エムガルティ、アジョビ、アイモビーグなどの新規の片頭痛予防薬が開発され、高い治療効果が得られております。当院ではいずれの薬剤も処方可能です。従来の片頭痛の治療薬を使用していても片頭痛が抑えられない方で、使用を考えてみたいという場合にはご相談ください。
薬の飲みすぎで頭痛が? ~薬剤の使用過多による頭痛
緊張型頭痛または片頭痛をもつ患者さんが急性期治療薬を連用するうちに頭痛が慢性化してひどくなったり、痛みの感じ方や持続時間が変わってくることもあります。これを「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)*」といいます。
片頭痛のお薬をひと月に10~15日以上(薬の種類によって違います)服用している場合、薬剤の使用過多になってしまうことで、薬物乱用頭痛を引き起こしている可能性が考えられますが、発生するメカニズムは正確には分かっていません。対応について医師に相談しましょう。
薬剤の使用過多による頭痛にならないために
急性期治療薬は、片頭痛発作が起こったときにのみ使用しましょう。発作が起こっていないときに、予防的に使用することはやめましょう。片頭痛発作が多い場合には、予防療法が必要な場合がありますので、医師に相談してください。
薬剤の使用過多による頭痛になってしまった場合には、①原因薬剤の中止、②薬剤中止後に起こる頭痛への対処、③予防薬投与 が治療の原則です。
二次性頭痛
二次性頭痛とはMRI検査にて
異常を認める疾患の総称です。
くも膜下出血、脳動脈解離、静脈洞血栓症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などさまざまな疾患があります。命をおびやかすケースもあり迅速に正確な診断をつけることが大切です。
MRI検査にてほとんどの疾患の診断が可能です。
当院では即日MRI検査に対応しており、検査を行った同じ日に結果説明も行っております。
くも膜下出血
くも膜下出血は脳動脈瘤と言われる血管のふくらみがある日突然破裂することによって起こります。原因としてはこの脳動脈瘤破裂がほとんどです。頻度は1年に人口10万人あたり約20人、50歳から60歳台の女性に好発します。
突然後頭部をバットで殴られたような激しい頭痛で発症することが多いですが、軽い頭痛や意識障害などで発症するケースもあります。一度発症すると適切な治療を行っても、約50%が死亡もしくは後遺症を残す重篤な疾患です。
治療は再出血を予防する開頭クリッピング術と血管内コイル塞栓術があります。
前述のとおり原因は脳動脈瘤破裂がほとんどです。脳動脈瘤は破裂して初めて症状が出現するので、MRI検査にて脳動脈瘤が潜んでいないか確認しておくことはくも膜下出血の予防では重要です。
くも膜下出血や治療が必要な未破裂脳動脈瘤を認めた場合は、信頼できる脳神経外科病院を紹介させていただきます。
前交通動脈に約5mmの脳動脈瘤を認めます。
脳動脈解離
働き盛りの40歳から50歳台の男性に好発し、突然の後頚部痛にて発症します。動脈は内膜・中膜・内膜の3層構造からなっていますが、何らかの原因で内膜に亀裂が入りそこから血流が侵入することで発症します。首の後ろを走行する椎骨動脈に生じやすく、MRI検査にて椎骨動脈の形態異常を認めます。
原因としては不明なことも多いですが、外傷や頸部の過度の運動、経口避妊薬や一部の血管病(線維筋異形 成症、Marfan 症候群、Ehlers-Danlos 症候群など)でも生じると言われています。
症状が頭痛のみの場合は、基本的に入院にて経過観察を行います。ただし解離部の変化を経時的に画像精査にてフォローすることが必要であり、この経過によっては外科的治療が必要となることもあります。
左椎骨動脈に解離が原因と考えられる瘤様変化を認めます。
静脈洞血栓症
静脈洞血栓症は、脳の静脈洞に血栓(血液の固まり)が形成される状態を指します。
静脈洞は脳の中で酸素を供給する血液を運ぶための重要な静脈の一部であり、血栓が形成されると血流が阻害されて問題が生じる可能性があります。
静脈洞血栓症は比較的まれな病態ではありますが、突然の頭痛や激しい頭痛、意識の変化、混乱、昏睡、痙攣、無力感や麻痺、視覚障害などの症状が現れます。
これらの症状が現れた場合は、すぐに医療専門家の診察を受けることが重要です。
静脈洞血栓症の診断には、神経学的な検査、血液検査、脳の画像検査(MRI)などが必要です。
脳腫瘍
脳腫瘍とは、その脳や脳をとりまく組織にできる腫瘍の総称で、複数のタイプがあります。脳腫瘍の患者数は10万人あたり10人程度と推測されており、乳幼児から高齢者まであらゆる世代にみられるのが特徴です。脳以外の部位にできたがん細胞が血液によって運ばれて頭蓋内に転移する転移性脳腫瘍と、脳内の細胞そのものががん化する原発性脳腫瘍に分類されます。
脳腫瘍は頭蓋骨の内側に生じるため、ある程度の大きさになると頭蓋骨の内側の圧力が増加することによって、腫瘍の種類に関係なく共通した症状があらわれます。頭痛、嘔吐、目がかすむ(視力障害)が代表的な症状で、これは頭蓋内圧亢進症状と呼ばれています。特に早朝頭痛と言われるような朝起床時に強い頭痛を訴える場合、食事とは無関係に悪心を伴わずに吐く場合などは、頭蓋内圧亢進が疑われます。腫瘍が疑われる場合、症状の詳しい経過を問診した上で、腫瘍の位置や大きさを確かめるために、MRI検査で頭の中の画像検査を行います。
治療法は、標準治療に基づいて、体の状態や年齢、患者さんの希望なども含めて検討します。良性腫瘍は、正常組織との境界がはっきりしているため手術で切除できるものが多く、完全に切除すれば治癒が期待できます。脳の奥深くに腫瘍があるなど切除が困難な場合には、手術で腫瘍の一部を切除してから、放射線治療を行うことがあります。腫瘍の増殖速度が遅い場合は、すぐに治療せず、しばらく経過を観察することもあります。悪性腫瘍では、腫瘍の種類や悪性度に応じて、手術や放射線、薬物療法を組み合わせた治療を行います。
左大脳に2か所の腫瘍性病変を認めます。転移性脳腫瘍を疑います。
慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫は、急性の頭部外傷ではなく、頭部を打撲してから3週間から3か月ほど経ってから、頭蓋骨と脳の間に血液が溜まってくる状態です。
歩行するとふらつく、頭痛、物忘れ、失禁といった症状がみられ、重症の場合は、意識障害を起こすこともあります。高齢者の場合は、認知症と間違われることもあるので注意が必要です。診断は頭部MRI検査で硬膜下の血種の有無を確認します。
症状がある場合は穿頭ドレナージ術を行います。局所麻酔下に、頭蓋骨に直径約1cmの穴をあけ、硬膜を切開して血腫を吸引除去します。脳への圧迫をなくすことで症状の改善が期待できます。入院期間は通常1週間ほどです。術後、再発の可能性が5〜10%程度あり、MRIやCT検査による定期的な経過観察を行います。
右硬膜下腔に血種の貯溜を認めます。
その他の頭痛
薬剤乱用頭痛
今感じている頭痛。その痛みに対して鎮痛薬を服用し、症状を和らげることは、一つの正しい対処法です。間違いではなく、必要な場面も確かにあります。
しかし、薬による対処を繰り返していると、かえって頭痛が悪化してしまうことがあります。本来は「片頭痛」や「緊張型頭痛」といった原因があったはずの頭痛に、さらにもう一つ厄介な病名が加わってしまうのです。
それが「薬物乱用頭痛」です。
薬物乱用頭痛は非常に厄介で、頭痛を持つ方の中でも重い状態として捉える必要があります。ただ頭痛が改善しないだけでなく、鎮痛薬を手放せなくなり、いわゆる「薬物依存」にまで進んでしまうケースが少なくないからです。
こうした状態、あるいはその可能性が疑われる場合には、できるだけ早く頭痛専門外来を受診し、適切な治療を受けることが重要です。放置すればするほど薬を減らすことが難しくなり、日常生活に大きな支障を及ぼしてしまいます。
新規片頭痛治療薬
CGRP関連予防薬として次の3種類があり、
すべて注射薬となっております。
CGRPについて
CGRP(calcitonin gene-related peptide:カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は片頭痛の痛みの直接の原因とされているタンパク質です。片頭痛の原因はまだはっきりとはわかっていませんが、現在最も重要視されているのが「三叉神経血管説」という説です。
CGRPは、三叉神経節や硬膜上の三叉神経末梢にある神経ペプチドといわれるものです。片頭痛がはじまるときには三叉神経という神経からこのCGRPが過剰に発現することにより血管拡張や神経原性炎症を介して片頭痛発作を引き起こすといわれております。
このCGRPの作用を妨害することにより片頭痛を抑制し片頭痛が起きないようにするのが新しい片頭痛予防治療薬の作用機序と考えられております。
効果発現には2つの機序があります。
エムガルティ・アジョビという薬剤はCGRPと直接結合することにより、痛みを起こすシグナルを押さえ片頭痛を起こさないようにします。また、アイモビーグという薬剤は、CGRPの代わりにCGRP受容体に結合することで蓋をして、CGRPがCGRP受容体に結合することを阻害する薬剤です。
3種類(エムガルティ/アジョビ/アイモビーグ)の薬剤の効果はほぼ同等であると言われています。
3種類の薬剤の効果はほぼ同等であると言われています。ただし薬剤の効き方は個人差がありますので、ある薬剤の効果がなくても種類を変えることで効果が発現することもあります。
副作用は、少し便秘などがある程度で、重大なものはほとんどなく安全な薬剤です。ただ、注射薬のため、注射部位反応(疼痛、硬結、紅斑など)は約20%前後、発疹や蕁麻疹などの過敏症は約1%程度あり、海外ではアナフィラキシーなどの報告もあります。
妊婦の方、15歳未満(エムガルティ)の方、18歳未満(アジョビ・アイモビーグ)の方、は安全性が確認できていないため処方はお断りしております。
エムガルティ
エムガルティは2021年4月末から認可された新しい片頭痛予防薬となります。1か月に1回の注射となります。反復性片頭痛、慢性片頭痛などで従来の予防薬の内服では効果がえられず、日常生活に支障をきたしている方(4日以上/月:頭痛発作)に投与が可能となります。注射部位疼痛以外に目立った副作用は報告されておりません。
エムガルティの効果について
効果に関しましては月に8.6日あった片頭痛が3.6日減少し、片頭痛の頻度が50%以上減った患者さまの割合は、49.8%でした。75%以上減った患者さまは25.5%、100%減った(頭痛がなくなった)患者さまは9.0%でした。
エムガルティの投与間隔
エムガルティは初回に2本、2ヶ月目から1ヶ月に1本注射をします。
エムガルティの費用(3割負担の場合)
- 1本約13,500円
- 初回(2本注射)約27,000円
- 翌月以降(1ヵ月月に1本)約13,500円
アジョビ
エムガルティと同じく、CGRPに直接くっついて、CGRPがCGRP受容体に結合するのを阻害するものです。
アジョビは、4週間ごとに1本投与、または12週間ごとに3本投与を患者様の生活状況に合わせて選んでいただけます。
アジョビの投与間隔
次の2つの投与方法があります。
4週間に1回、1本注射
12週間に1回、3本注射
アジョビの費用(3割負担の場合)
- 1本あたり約12,350円
アイモビーグ
アイモビーグは、CGRP受容体を阻害することで片頭痛患者における片頭痛を予防できるように特異的にデザインされた完全ヒトモノクローナル抗体です。
投与1ヶ月目から月間の片頭痛日数の減少が認められています。プラセボ群と比較して投与1ヶ月目から有意差をもって平均月間片頭痛日数の減少が認められ、その効果は6ヶ月目まで持続しました。一年経過後に64.5%の患者さんで月間の片頭痛日数が50%減少したことが認められています。
アイモビーグの投与間隔
4週間に1回の間隔で、1回1本を投与します。 投与予定日に投与できなかった場合は、可能な限り速やかに投与を行い、以降はその投与日を起点として4週間に1回の間隔で投与を行います。
アイモビーグの費用(3割負担の場合)
- 1回あたり約12,350円
急性期治療薬
『レイボー』
レイボーは痛いときにのむ頓用薬です。三叉神経終末のセロトニン5HT1F受容体を刺激してCGRPの分泌を抑制して頭痛を改善します。
内服して30分から効果が出現し、2時間後に頭痛を消失させ、24時間と長い間効果が持続します。
血液脳関門BBBを通過しやすいため、トリプタンと比べて内服するタイミングが遅れても効果を発揮します。
また血管収縮作用はありませんので心筋梗塞や脳梗塞の既往のある方でも服用可能です。
一方、ふらつき・ねむけ・めまいが発生しやすいため、初回から慣れるまでは、夕方から夜・休日にトライすることがすすめられます。
これらの副作用は数回重ねることで慣れる傾向があります。
通常、成人には1回100mgを片頭痛発作時に服用します
患者の状態に応じて1回50mg又は200mgを投与することが可能です。 頭痛の消失後に再発した場合は、24時間あたりの総投与量が200mgを超えない範囲で再投与可能です。
急性期治療薬『レイボー』の費用(3割負担の場合)
- 50mg錠(1錠)324.7円
- 100mg錠(1錠)570.9円
