『慢性硬膜下血腫』と
『急性硬膜下血腫』があります
硬膜下血腫は『慢性硬膜下血腫』と『急性硬膜下血腫』に分かれ、どちらも頭部打撲などがきっかけで発症することが多い疾患です。
『慢性硬膜下血腫』について
頭部打撲などの後、脳と脳を覆う硬膜の間に袋状に出血が溜まります。それにより脳が圧迫され様々症状が現れます。
慢性硬膜下血腫の原因
- 現代医療において正確な原因はわかっていませんが、頭部打撲などの後、数週間から数ヶ月後にわたりゆっくりと出血が溜まることが多く、中年以降の高齢の方や飲酒量が多い方に多い傾向です。
- 血液をサラサラにする薬を服用している方が発症率が高まるという報告があります。
慢性硬膜下血腫の症状
慢性硬膜下血腫の典型的な症状は、軽度の頭部外傷の後に数週間の無症状期があり、その後、頭痛や嘔吐などの頭蓋内圧亢進症状が現れることがあります。
片側の麻痺(片麻痺)、しびれ、けいれん、失語症(言葉がうまく話せない状態)、認知症、意欲の低下など、さまざまな神経症状も見られることがあります。
慢性硬膜下血腫の診断方法
- 診断は主にMRI等の画像検査で行われます。
慢性硬膜下血腫の治療方法
症状のない小さな血腫の場合は、自然に消失するケースがあるため経過観察が行われます。しかし、症状がある場合や、血腫の量が一定以上ある場合は手術が必要となります。
手術は局所麻酔下で行われ、頭蓋骨に穴を開けて(穿頭)、硬膜と血腫被膜をわずかに切開し、血腫腔にドレーンを挿入します。手術後、ドレーンから血腫が排液されます。手術時間は通常15分から30分です。
『急性硬膜下血腫』について
急性硬膜下血腫は、頭部外傷や血管の破裂などによって生じる頭蓋内の緊急性の高い疾患です。
急性硬膜下血腫の原因
急性硬膜下血腫は、頭部外傷によって、血管が損傷されたり、脳の表面の静脈が損傷されたりした場合に発生します。
この損傷によって出血が起こり、硬膜と脳の間に血液がたまることで、脳組織に圧迫がかかります。
急性硬膜下血腫の症状
- 初期の症状は頭痛やめまい、意識レベルの変化、嘔吐、片麻痺などですが、症状の程度や進行速度は患者によって異なります。
- 重篤な場合、急性硬膜下血腫は命にかかわる可能性がありますので、早期発見と適切な治療が重要です。
急性硬膜下血腫の診断方法
- 診断は主にMRI等の画像検査で行われます。
急性硬膜下血腫の治療方法
血腫を取り除くために手術が行われます。この手術は「開頭血腫除去術」と呼ばれます。 手術中に脳が腫れてくることもあります。その場合、骨を取り外して脳に圧力をかけずに外圧縮術が行われることがあります。
脳ドックにより予防医療のご案内
当院では予防医学に力をいれており『脳ドック』を行っております。
前述の通り、脳梗塞の治療は急を要します。そのため、普段からの生活習慣も重要になります。
定期的に脳ドックを受診し、日頃から生活習慣に配慮することをおすすめいたします。