投与1週目から片頭痛日数が減少が期待できます
「辛い頭痛発作を回数から減らしたい」とお悩みの方へ。当院では、新しい作用機序を持つ片頭痛予防薬「アジョビ」による治療を行っております。
アジョビは、片頭痛の原因物質(CGRP)を抑制する注射薬です。月1回、または3ヶ月に1回の注射で済むため、毎日の内服が負担だった方にも続けやすい治療法です。
これまでの飲み薬で効果を感じられなかった方でも、発作の頻度や痛みの程度が軽減する効果が期待できます。長年の頭痛にお悩みの方は、諦めずに当院までご相談ください。
※CGRP:カルシトニン遺伝子関連ペプチド
アジョビの働き
片頭痛は、何らかの刺激により、三叉神経と呼ばれる神経からCGRPなどの神経伝達物質が出され、脳内の血管などに作用することにより起こるといわれています。
アジョビは、CGRPと結合し、その働きを抑えることで、片頭痛発作を起こさないようにすると考えられています。
※引用元:アジョビ.jp ajovy.jp
アジョビの効果について
- 投与1週目から片頭痛日数が減少。
- 6か月後に片頭痛日数が半分になる人が約4人に1人、頭痛日数が消失する人が約10人に1人。
- 随伴症状(悪心・嘔吐、光過敏・音過敏)が軽減。
- 急性期治療薬の使用日数が減少。
- 1回の注射で、効果に必要とされる血中濃度が約30日間続くため次回の注射時まで効果が続く。
※引用元:アジョビ.jp ajovy.jp
副作用・注意点
アジョビでは注射した部位が、痛む、赤くなる、硬くなる、かゆい、発疹などが報告されています。
このような症状に気が付いたら、薬剤師や当院スタッフにご相談ください。
アレルギー反応は、注射後1ヵ月以内に起こる可能性があります。
- 全身のかゆみ、じんま疹、紅斑、発赤などの皮膚症状
- くしゃみ、せき、ぜーぜー、声のかすれ息苦しさなどの呼吸器症状
- 顔色が悪い、意識混濁、ふらつき、動悸などのショック症状
- のどのかゆみなどの粘膜症
- 腹痛、吐き気などの消化器症状
アジョビの投与間隔
次の2つの投与方法があります。
アジョビの特長として、3本打てば、効果が3ヶ月持続する。通院回数を減らしたいかたに最適な投与方法になります。
4週間に1回、1本注射
12週間に1回、3本注射
アジョビの費用(3割負担の場合)
- 1本あたり約12,350円
アジョビの有効性を示すデータについて
UNITE 試験(Fremanezumab の片頭痛+うつ病への効果)
研究背景
片頭痛患者では 約40〜60% が抑うつ症状を合併 するとされ、両者の併存は以下の問題を引き起こします。
しかし、これまで 片頭痛とうつ病の両方に直接作用する薬剤 はほとんどありませんでした。
このギャップを埋めるために実施されたのが UNITE 試験 です。
- 片頭痛の慢性化
- 痛みの閾値低下
- 睡眠障害の増悪
- QOL(生活の質)の著しい低下
研究デザイン
対象者(N=353)
- 慢性片頭痛:121名
- 反復性片頭痛(episodic migraine):232名
- 大うつ病性障害(MDD)を DSM-5 で診断
- ベースライン HAM-D:中等度以上
治療プロトコル
- Fremanezumab 225mg 月1回皮下注
- 対照:プラセボ注射
- 二重盲検期間:12週間
- 続いて全例 fremanezumab 投与の延長期間12週間
一次評価項目(頭痛アウトカム)
月間片頭痛日数(MMD)の変化群
- ベースライン12週間後の変化
- フレマネズマブ群 約14.5日 −5.1日
- プラセボ群 約14.4日 −2.9日
- 差:−2.2 日(P < .001)
- 明確な有効性あり。
ベースラインからの月間偏頭痛日数の変化とベースラインからの月間偏頭痛日数の50%以上の減少を示す患者(第4週、第8週、第12週)
- 折れ線グラフで、投与2週目から プラセボとの差が明確に開き始める。
- 8週以降は差が安定し、フレマネズマブ群では平均9日前後まで低下。
※引用元:アジョビ.jp ajovy.jp
※引用元:アジョビ.jp ajovy.jp
二次評価項目(精神症状の改善)
HAM-D(ハミルトン抑うつ尺度)群
- ベースライン 12週後変化
- フレマネズマブ 平均18点前後 約−6.0
- プラセボ 平均 17〜18 約−4.6
- 差:−1.4(P = .02)
- 抗うつ効果が統計学的に有意
臨床的意義
- MDD の薬物治療に匹敵する改善幅(中等度改善)
- 頭痛日数の減少と抑うつ改善の間には 正相関 が確認された
- つまり、片頭痛が軽くなる → うつ症状も改善しやすい という関係を裏付ける結果。
その他の副次的評価
PHQ-9(患者主観の抑うつ評価)
- フレマネズマブ群で 約−5.3ポイント
- プラセボ群で −3.9ポイント
- P = .01(有意差あり)
GAD-7(不安評価)
- 不安症状も有意に改善
- P=.03
MIDAS(片頭痛による機能障害)
- フレマネズマブ群で有意に改善
- P < .01
- 片頭痛と連動して生じる 不安・生活障害 にも効果を示した。
副作用(安全性)
主な有害事象(AE)
- 注射部位の硬結・痛み(7〜9%)
- 感染症(風邪様症状)
- 疲労感
- 重篤な副作用は 1〜2% 程度で、プラセボと同等=安全性は高い。
総合結論
- フレマネズマブは片頭痛+うつ病併存患者において、片頭痛日数を有意に減らし、抑うつ症状も改善する。
- これは「CGRP 阻害による疼痛改善」だけでは説明できず、神経炎症の抑制や trigeminal 系の調整が情動系にも影響している可能性が示唆される。
- 片頭痛と精神症状を同時に治療できる点は臨床的に非常に大きい。
- 参考論文:https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2833452?8914
