原因物質(アミロイドβ)を除去して
アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬です
アルツハイマー病では、脳の中でアミロイドβタンパク質の塊(プラーク)が形成されます。
プラーク中のアミロイドβタンパク質には、「ピログルタミル化」と呼ばれる変化が生じています。
ドナネマブ(ケサンラ®)は、この変化を認識するように設計された抗体です。抗体の投与によってアミロイドβプラークの除去を促進させます。
治療対象は、 アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)、アルツハイマー病による軽度の認知症が対象です。
問診、認知機能検査、画像検査などを行って治療適応を調べます。認知機能検査であるMMSEでは20~28点以内の方が該当します。
投与方法および投与期間
4週間に1回、30分かけて静脈点滴を行います。
治療開始後12か月の時点でアミロイドPET検査が陰性化(脳のアミロイドβプラークが除去された状態)していれば、その時点で投与終了となります。除去されていない場合は原則として最大18か月間まで治療が行われます。
治療効果
17.5か月で約5.44か月、タウタンパク質が低い層では7.53か月の進行遅延が確認されています。また投与開始から76週目の結果では、タウの蓄積が軽度または中等度の患者さんで80.1%、全体集団でも76.4%の患者さんでアミロイドプラークが消失しました。認知機能・日常生活動作を評価するiADRSでは、タウの蓄積が軽度または中等度の患者さんで35.1%、全体で22.3%の進行抑制効果がみられ、認知症重要度スコアであるCDR-SBでは、軽度または中等度の患者さんで36.0%、全体で28.9%の進行抑制効果が示されました。
副作用
注意すべき副作用としては脳のむくみや出血(ARIA:アミロイド関連画像異常)があります。投与開始6か月以内に発症しやすく、投与中は定期的なMRI検査が必須です。また投与時のアナフィラキシー症状、頭痛なども報告されています。
当院での対応について
当院ではMRI検査や認知機能検査を行い、ケサンラ®投与の適応があると判断した場合は、(現在当院では処方ができないため)投与可能な連携医療機関へ紹介させていただきます。
